アルミニウム合金別の特長及び用途
合金系統 | JIS合金呼称 | 材料特性の概要 | 用途例 |
純アルミニウム系 | A1050 | 純度99.50%以上 加工性、耐食性、電気伝導性、熱伝導性 良好。強度が低いので構造材には、不向き。 |
導電材、 ヒートシンク |
純アルミニウム系 | A1100 | 純度99.00%以上 | |
Al-Cu系 | A2017 | Cuを多く含むため、耐食性はよくないが、強度は 高い。構造材、鍛造品にも適用。高力材料 通称=ジュラルミン |
航空機 レース用車両 |
Al-Mg系 | A5052 | 中程度の強度を有する非熱処理合金で、 耐食性、加工性が良く、強度の割に、疲労強度が高い最も一般的な材料です。 |
一般板金 通信機器部品 車両、船舶等 |
Al-Mg-Si系 | A6063 | 代表的な押出用合金。押出性に優れ、複雑な 断面形状の形材が得られ、耐食性、表面処理性 も良好。 |
ヒートシンク 建築、装飾品 |
Al-Zn-Mg系 | A7075 | アルミニウム合金中最高の強度を有する。 コストが高い。 |
航空機 スキーストック |
軽い!
アルミニウムの比重は2.7。鉄(7.8)や銅(8.9)と比べると約3分の1です
地球での存在量・・・・金属の中では地球上最多である。
強い!
アルミニウムは比強度(単位重量あたりの強度)が大きいため、精密機械や建築物などの
構造材料として多く使用されています。純アルミニウムの引張強さはあまり大きくありませんが、
これにマグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛などを添加して合金にする事で、
強度を高くすることができます。
熱をよく伝える!
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍。熱をよく伝えるということは急速に
冷えるという性質にもなります。
20°Cで0.487、金は0.708、銀は0.998、銅は0.923である。
金属中で最も反射率が大きく、日光で91%位である。
*アルミ素材の放熱効果は高いのですが、PCケースとして
使う場合には、期待するほどでは有りません。
毒性がない!
アルミニウムは、無害・無臭で衛生的。万一なんらかの化学作用で金属が
溶出したり化合物をつくったとしても、重金属のように人体を害したり土壌を
いためたりしません。この特性を生かして、
食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器および
家庭用器物などで広く使用されています。
美しい!
アルミニウムは素地のままでも美しい金属ですが、
陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)などさまざまな表面処理を
施すことによってより美しくなり、また、表面を硬くしたり、防食効果を
高めたりすることができます。
PCケースの素材としてアルミ[A5052材]を選んだ理由です!!
市販のスチールケース
市販されているスチールケースは電気亜鉛メッキ鋼板もしくは、
溶融亜鉛メッキ鋼板が使用されています。
前者は薄い灰色、後者は銀色[ブリキ色]で見た目で
判断する事が出来ます。
機械的性質は若干異なりますが、PCケースとして
使用するには、どちらも差が無いと思います。
材料単価もさほど違いません。
現在ほとんどのケースが0.8mm〜1.0mmの板厚で
プレス加工[量産]にて作られています。
アルミケースの場合[自社製品]
主要部分[シャーシ、天板、両側板、フロントパネル等]は1.5mmの
板厚を使用。[何ヶ所か1.0mmを使用していますが、・・・]
Al-Mg系A5052Pを使用。材料単価もスチールケースの
2.5倍前後と割高になってしまいます。
[*材料単価で5倍ですが、材料使用比率では2.5倍になります。]
又、防錆処理が不要な亜鉛メッキ鋼板とは異なりアルミ素材は
指紋などですぐに白く、くもってしまい、落とすことが出来ません。
末永く綺麗に使って頂けるように内部のパーツもアルマイト処理
したことで、とても綺麗に仕上がりました。